季節性感情障害について

雪に描かれた絵

この冬最強の寒波が、最長期間居座る・・という昨日の天気予報にビビっているスタッフパルムです。

最近、ビリーブでも、ありがとうファームでも、体調不良でお休みしているメンバーさんが多くなってきています。
空気が乾燥する時期なので、風邪をひくことも多くなるでしょうが、もう一つ、
季節性感情障害SAD seasonal affective disorder という病気が潜んでいることが原因かもなのかもしれません。 

「季節性感情障害」とは、ある季節だけ発症するうつ病のことです。
夏に起こるものもありますが、ほとんどは秋から冬にかけて憂うつな気分にとらわれ、春になると自然に治る「冬季うつ病」です。
冬季うつ病の患者さんは、南の地方に比べて、北日本の方がうつ病患者さん全体に占める割合が高くなっています。

季節性うつ病のグラフ
一年間を通したセロトニンのグラフ

患者さんの男女比では、女性が圧倒的に多く、男性の3~4倍にも上ります。
20~30歳代の若い人が多く、子供や年配者ではまれです。

SADにみられる症状の多くは、季節性ではない普通のうつ病と同じです。
うつ病の症状には、次のようなものがあります。

・気分が落ち込む(午前中の方が症状が強い)
・やる気が出なくなる
・元気がなくなる
・生きる張り合いがなくなる
・物事を楽しめなくなる
・イライラする
・人と会いたくない
・性欲が減退する

しかし、SADには、普通のうつ病とは少し異なる症状もあります。
非季節性のうつ病においては、眠れなくなり食欲もなくなるのが一般的ですが、SADの場合は、睡眠時間が長くなり食欲も増すことが多いです。


”SADの原因””

冬場の日照時間不足が原因であると考えられています。
現代の生活では屋内で過ごすことが多く、日光に当たる時間が少なくなっています。
光が不足すると、脳内でセロトニンというホルモンの分泌が減り、そのためにうつ病になりやすいと考えられています。

”SADによる悪循環”

SADの症状の中には、さらなる問題を生んで「悪循環」を引き起こし、症状を悪化させるものがあります。
・いつも疲れていて、何もしたくなくなります。
 運動不足がさらにうつを悪化させることがあります。
・食べる量が増えて、太ってしまいます。
・眠気、やる気のなさ、イライラといった症状は、家庭や交友関係、仕事上でのトラブルの元になりかねません。また、やるべきことがあってもそれに取り掛かることができず、さらなるストレスを感じることがあります。

こうした「悪循環」がひどくなる前に、自分でできる対策を立ててみましょう。

”SADへの対策”

・日照時間の短い時期には、できるだけ屋外に出て日光に当たる。
・ウォーキングなど、屋外での有酸素運動を続ける。
・家族や友人に相談して、理解と協力を得るようにする。
・お正月を過ぎればじょじょに日が長くなるし、春はもうすぐ」と自分に言い聞かせる。

温度計の絵

”認知行動療法”
(cognitive behavioural therapy)

冬季うつ病の治療と再発防止には、CBTが効果的であるとする研究結果もあります。
何か困難にぶつかった時に、それに向き合って乗り越えて行けるような
思考力を育てる技法として、注目を集めている精神療法のひとつです。

運動ができなければ、しっかりと太陽の光を浴びるとか、食事の管理を行うことも重要なポイントとなります。
脳内のセロトニンを合成する原料となるのが、必須アミノ酸のトリプトファン。
それが不足していると、光を浴びても効果が得られにくいそうです。
トリプトファンを多く含む食品は、豆類、肉類、チーズなどです。
積極的に食べて、しっかり睡眠を取って。
まずは規則正しい生活習慣の見直しから始めてみましょう。

ビリーブでは、社会復帰に向けた準備を高める為の活動を、毎日実施しています。

まだしばらくは寒い日々が続きますが、しっかり防寒して、外へ出てみましょう。
寒がりのスタッフが、たくさんのプログラムを用意して、
笑顔で皆さんをお待ちしていますよ。^^

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